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NY金相場が急反落:米金利上昇とインフレ指標が左右する今後の展開

NY金相場は1月13日の国際商品市場で急反落した。今後の金価格の動きは、米国の物価指数の発表によって大きく左右されることが予想される。特に、スポット金価格の見通しや重要なテクニカルラインに注目が集まる。

現在、米金利の上昇が止まらない状況にある。1月13日の市場では、10年債利回りが2023年11月以来となる4.8%に到達し、20年債利回りも5.0%に上昇した。この金利上昇の影響を受け、米ドル相場のトレンドを示すドル指数(DXY)は、2022年11月以来の110ポイント台を記録した。

米金利の上昇とドル高が圧力となり、NY金先物(2月物)は1.3%の急反落を見せた。スポット価格は2,690ドル台から75日移動平均線(2,656ドル付近)まで下落し、このラインがサポートラインへ転換する可能性がある。

1月13日に発表されたIG米国レポートでは、2023年11月のアメリカ大統領選挙以降、消費者のインフレ期待が上昇していることが指摘された。トランプ氏の政策が物価上昇を招く可能性があり、消費者の間でインフレへの警戒感が高まっていると考えられる。

このような状況の中、本日、2024年12月の生産者物価指数(PPI)が発表される。ブルームバーグがまとめた市場予想では、前年同月比の総合指数とコア指数がともに上昇する見込みであり、前月比のコア指数もインフレの粘着性を示す可能性がある。

さらに、明日には市場の関心が高い2023年12月の消費者物価指数(CPI)が発表される予定だ。ブルームバーグの市場予想によれば、前年同月比で総合指数が前月の2.7%から2.9%へ上昇し、コア指数は4カ月連続で3.3%を維持する見通しである。また、前月比の総合指数でもインフレの加速が予測されており、結果次第では市場の動きに大きな影響を与える可能性がある。

市場予想どおりに物価指数がインフレ再燃の兆候を示した場合、米長期金利がさらに上昇することが考えられる。金利上昇はドル高を促し、結果的に金価格の下落要因となる。一方で、インフレ懸念が後退した場合は、金価格の上昇要因となる可能性がある。

今後のNY金相場は、この物価指数の結果次第で大きく変動することが予想される。金価格の予想レンジは2,630~2,700ドルの範囲と見られる。

現在の市場環境で特に注目されるのは、下落局面における3つの移動平均線の攻防である。PPIとCPIがともにインフレ再燃を示唆する場合、金価格の続落が予想される。この場合、以下の移動平均線が重要なサポートラインとして機能するかが焦点となる。

  1. 75日移動平均線(2,659ドル)
     → 昨日の急反落を止めたラインであり、今後サポートラインへ転換する可能性がある。
  2. 89日移動平均線(2,651ドル)
     → 75日線を下方ブレイクした場合、このラインが次のサポートとして意識される。
  3. 20日移動平均線(2,635ドル)
     → さらに下落した場合、予想レンジの下限である2,630ドル付近までの下落が想定される。

サポートラインまとめ:

  • 2,659ドル:75日移動平均線(日足)
  • 2,651ドル:89日移動平均線(日足)
  • 2,635ドル:20日移動平均線(日足)
  • 2,630ドル:予想レンジの下限

また、上昇局面では、以下のレジスタンスラインが意識される。米物価指数がインフレ懸念を後退させた場合、米国債の買い戻しや米金利の低下が進み、金価格の上昇が見込まれる。その際、以下のテクニカルラインが重要な上値の目安となる。

  1. 2,672ドル(フィボナッチ・リトレースメント38.2%)
     → 昨日の欧米時間でレジスタンスラインとして意識された水準。
  2. 2,677ドル(半値戻し)
     → 短期的な上昇の目安として機能する可能性がある。
  3. 2,682ドル(フィボナッチ・リトレースメント61.8%)
     → レジスタンスラインへ転換する可能性がある。
  4. 2,692ドル(フィボナッチ・リトレースメント76.4%)
     → 先週10日と昨日の市場で上昇が止められた水準。
  5. 2,700ドル(予想レンジの上限)
     → この水準を突破すると、さらなる上昇トレンドのサインとなる可能性がある。

レジスタンスラインまとめ:

  • 2,700ドル:予想レンジの上限(日足)
  • 2,692ドル:フィボナッチ・リトレースメント76.4%(日足)
  • 2,682ドル:フィボナッチ・リトレースメント61.8%(15分足)
  • 2,677ドル:半値戻し(15分足)
  • 2,672ドル:フィボナッチ・リトレースメント38.2%(15分足)

現在、NY金相場は米金利の上昇とドル高の影響を受けて急反落している。しかし、今後の市場動向は、1月13日と14日に発表されるPPIおよびCPIの結果によって大きく変動する可能性が高い。インフレ再燃の兆候が示された場合、金利のさらなる上昇による金価格の下落が予想される。一方で、インフレ懸念が後退すれば、金価格の上昇要因となる可能性がある。

テクニカル面では、下落局面では75日・89日・20日移動平均線がサポートラインとして機能するかが重要なポイントとなる。上昇局面では、フィボナッチ・リトレースメントの各水準がレジスタンスラインとして意識される。

今後の市場展開を見極めながら、慎重に金相場の動向を分析する必要がある。

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