ボリンジャーバンドとは?使い方や計算式、注意点を解説!

ボリンジャーバンドは、多くのトレーダーに活用されているテクニカル指標です。
本記事では、ボリンジャーバンドの基本的な使い方、計算式の仕組み、そして取引時に注意すべき点について解説します。ボリンジャーバンドを効果的に活用し、トレードの精度を向上させましょう。
目次
ボリンジャーバンドとは?

ボリンジャーバンドは、一定期間の価格データを基に相場の変動幅(ボラティリティ)を測定するテクニカル指標です。統計学的手法を用いて価格がどの範囲内で動く可能性が高いかを予測し、その結果をグラフ上に表示します。米国の投資家ジョン・ボリンジャーが考案しました。
ボリンジャーバンドは、移動平均線とその上下に描かれる2本ずつの標準偏差で構成されています。通常、相場のトレンドや強さを分析するために使われ、相場の状況を視覚的に理解しやすいインジケーターとして、多くのトレーダーに支持されています。
標準偏差とは
標準偏差は、データの分布の広がりを数値化する統計指標です。統計学でよく使われ、一般的に「σ(シグマ)」という記号で表されます。同じような値が多い場合は標準偏差(σ)は小さくなり、逆に標準偏差(σ)にばらつきがある場合は大きくなります。
平均を中心に、データの約68%が入る距離を「±1σ」、約95%が入る距離を「±2σ」と表すことが多いです。 この概念をボリンジャーバンドで応用しており、移動平均線を基準(0)として、約68%の終値が入る距離を「±1σ」、約95%が入る距離を「±2σ」とするのが一般的です。これにより、価格の変動幅やトレンドの強さを簡単に把握できるようになります。
標準偏差とボリンジャーバンドの計算式
標準偏差は、以下の計算式で求められます。
上記で求めた標準偏差を使用して、下記の計算式で各バンドを求めます。
- ±1σ=n日間の単純移動平均±標準偏差
- ±2σ=n日間の単純移動平均±標準偏差×2
- ±3σ=n日間の単純移動平均±標準偏差×3
ボリンジャーバンドの見方

ボリンジャーバンドの見方を解説します。主に4つのポイントがあります。
スクイーズ
スクイーズとは、ボリンジャーバンドが収縮し、バンドの幅が狭くなっている状態を指します。この状態は、ボラティリティが低く、価格が上下に大きく動かないレンジ相場(もみ合い)が発生していることを意味します。ボラティリティが低いため、大きな利益を期待するのは難しい場合が多いです。
エクスパンション
エクスパンションとは、ボリンジャーバンドが拡大している状態を指し、ボラティリティが高まっていることを意味します。この状態では、価格がどちらか一方向に大きく動くトレンドが発生しやすくなります。値幅を狙いやすい相場となり、大きな利益を期待できる可能性が高いです。
ボージ
ボージとは、ボリンジャーバンドがエクスパンションによって最も拡大した部分を指し、価格変動が最大となるタイミングです。ボージが発生した後は、バンドが縮小に向かうため、トレンドの終了や反転の可能性が高まります。
バンドウォーク
バンドウォークとは、ローソク足がボリンジャーバンドの±2σラインに沿って並んでいる状態を指し、トレンドが継続していることを示します。上昇トレンドではローソク足が+2σラインに沿い、下降トレンドでは-2σラインに沿って動く傾向があります。この状態では、価格が一方向に大きく動きやすいため、トレンドの方向に取引を行うことで、大きな利益を期待できる相場状況となります。
ボリンジャーバンドの使い方

ボリンジャーバンドは一般的に逆張り法と、順張り法があります。それぞれについて紹介します。
逆張り指標として活用する
ボリンジャーバンドを逆張り指標として活用する方法では、株価がバンドの範囲内で上下に動く特性を利用します。具体的には、株価がバンドの下限(-2σ付近)まで下落したら「買い」のポイント、上限(+2σ付近)まで上昇したら「売り」のポイントと判断する場合が多いです。
順張りの指標として活用する
ボリンジャーバンドを順張り指標として活用する方法では、バンドが収縮した後に株価が上限(+2σや+3σ)を上抜けると、エネルギーを解放して大きな値動きが始まるサインと捉えます。このタイミングを「買い」のポイントと判断する場合が多いです。
上昇トレンドでは株価が+1σに沿って動く「バンドウォーク」が発生し、この状態が続く間は保有を継続し、利益を伸ばすチャンスです。バンドウォークが終わり、株価が+1σを下抜けたときが「売り」のタイミングとなります。
ボリンジャーバンドの注意点

ボリンジャーバンドを利用する際の注意点として「ヘッドフェイク」があります。これは、ローソク足がボリンジャーバンドの外側に抜けてエクスパンションが発生した後、値動きが逆行し、反対側のバンドに達する現象です。
一般的に言われる「ダマシ」の動きが起こる可能性があるのです。そのため、エクスパンションが発生した際には、常にヘッドフェイクを警戒する必要があります。もしヘッドフェイクが起こった場合は、損失を最小限に抑えるために、適切な損切りを行うことが重要です。
まとめ
ボリンジャーバンドは、トレンドの把握やボラティリティの分析に有効なテクニカル指標です。ただし、ヘッドフェイクのような「ダマシ」によるリスクがあるため、取引の際には注意が必要です。計算式や使い方を正しく理解し、損切りラインの設定を含めたリスク管理を徹底することで、ボリンジャーバンドを効果的に活用し、トレードの精度を高めましょう。
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