DMIとは?指標の見方や使い方、計算方法を解説

株式投資において、相場のトレンドを把握することは重要です。しかし、多くの投資家はどの指標を使えばよいか悩んでいます。そこで注目したいのがDMI(Directional Movement Index)です。本記事では、DMIの基本的な見方や活用法、具体的な計算方法について詳しく解説していきます。
目次
DMIとは

DMIは、相場の方向性や強さを数値化し視覚化する指標で、投資判断に役立ちます。+DIライン、-DIライン、ADXラインの3本の線で構成されており、各ラインの動きから相場の状況を読み取ることが可能です。はじめに、DMIの基本的な概念や構成要素について詳しく解説します。
意味
DMI(Directional Movement Index)は、相場の方向性を示す指標です。1978年に、J・ウェルズ・ワイルダー・ジュニアによって開発されました。上昇トレンドと下降トレンドの強さを別々に計測し比較することで、現在の相場の方向性を判断します。
+DIラインと-DIラインという2本の線で表され、+DIラインは上昇トレンドの強さを、-DIラインは下降トレンドの強さを表します。これらのラインの位置関係から、相場の方向性を読み取ることが可能です。
ADXとは
ADX(Average Directional Index)は、DMIを構成する重要な要素の一つです。トレンドの強さを表す指標で、0から100までの数値で表されます。ADXの値が高いほどトレンドが強いことを示し、一般的に25以上でトレンドが強いと判断されます。
ADXは、上昇トレンドと下降トレンドの両方の強さを合わせて計算するため、相場の方向性ではなく、トレンドの存在とその強さを示す指標として活用できます。
DMIの計算方法

DMIの計算は複雑ですが、基本的な計算式は以下の通りです。
+DI = (+DM / TR) × 100 -DI = (-DM / TR) × 100 ADX = SMA(|+DI – (-DI)| / (+DI + (-DI))) × 100
ここで、 +DM (プラス方向性移動): 当日高値 – 前日高値 (ただし、当日高値 > 前日高値の場合) -DM (マイナス方向性移動): 前日安値 – 当日安値 (ただし、前日安値 > 当日安値の場合) TR (真の値幅): max(高値 – 安値, |高値 – 前日終値|, |安値 – 前日終値|) SMA: 単純移動平均
これらの計算式を用いて、一定期間のデータから各ラインの値を算出します。多くの投資家は自動計算ツールを利用しますが、計算原理を理解することでDMIの本質をより深く把握できるでしょう。
DMIの見方

DMIは、+DIライン、-DIライン、ADXラインの3本の線で構成される技術指標です。各ラインには特徴があり、それぞれが異なる情報を表します。ここでは、+DIライン、-DIライン、ADXラインについて詳しく解説し、それらをどのように解釈すれば効果的な投資判断につながるのかを説明します。
+DIライン
+DIライン(プラスDIライン)は、上昇トレンドの強さを表す指標です。
一定期間の価格変動のうち、上昇部分を数値化したものです。+DIラインの値が高いほど、上昇トレンドが強いことを示します。-DIラインとの位置関係が重要で、+DIラインが-DIラインを上回っている場合は、上昇トレンドにあると判断できます。+DIラインの動きに注目することで、上昇相場の強さや継続性を予測することが可能です。
−DIライン
-DIライン(マイナスDIライン)は、下降トレンドの強さを表す指標です。
一定期間の価格変動のうち、下降部分を数値化したものです。-DIラインの値が高いほど、下降トレンドが強いことを示します。+DIラインとの位置関係が重要で、-DIラインが+DIラインを上回っている場合は、下降トレンドにあると判断できます。-DIラインの動きに注目することで、下落相場の強さや継続性を予測することが可能です。
ADXライン
ADXライン(Average Directional Index)は、トレンドの強さを表す指標です。
0から100までの数値で表され、値が高いほどトレンドが強いことを示します。一般的に25以上で、トレンドが強いと判断されます。ADXラインは、上昇トレンドと下降トレンドの両方の強さを合わせて計算するため、相場の方向性ではなく、トレンドの存在とその強さを示します。ADXラインの値と変化に注目することで、トレンドの強さや転換点を予測できるでしょう。
DMIの使い方

DMIは、主な使い方として、+DIラインと-DIラインのクロス(ゴールデンクロスとデッドクロス)に注目する方法や、両ラインとADXラインの動きを組み合わせて判断する方法があります。さらに、ダイバージェンス(乖離)現象を観察することで、相場転換のサインを捉えることも可能です。次に、それぞれの使い方を詳しく解説し、DMIを効果的に活用するためのポイントを説明します。
ゴールデンクロス
DMIにおけるゴールデンクロスは、+DIラインが-DIラインを下から上に突き抜ける現象を指します。これは、上昇トレンドの始まりを示すシグナルとして捉えられます。ゴールデンクロス発生時に、ADXラインも上昇傾向にある場合は、より強い上昇トレンドの可能性が高いと判断可能です。
ただし、短期的な変動によるクロスも発生するため、他の指標や価格の動きと合わせて総合的に判断することが重要です。
デッドクロス
DMIにおけるデッドクロスは、-DIラインが+DIラインを下から上に突き抜ける現象を指します。これは、下降トレンドの始まりを示すシグナルとして判断可能。デッドクロス発生時に、ADXラインも上昇傾向にある場合は、より強い下降トレンドの可能性が高いと判断できます。
短期的な変動によるクロスも発生するため、他の指標や価格の動きと合わせて総合的に判断することが大切です。
ダイバージェンス
ダイバージェンス(乖離)は、価格の動きとDMIの動きが異なる現象のことです。例えば、価格が上昇しているにもかかわらず+DIラインが下降している場合、上昇トレンドの弱まりを示唆する可能性があります。逆に、価格が下落しているにもかかわらず-DIラインが下降している場合、下降トレンドの弱まりを示唆する可能性があります。
ダイバージェンスは、相場の転換点を予測する上で重要なシグナルとなるため、注意深く観察することが大切です。
DMIの注意点

DMIは有用な指標ですが、完璧ではありません。短期的な相場変動に反応しやすいため、偽シグナルに注意が必要です。また、相場が横ばい状態の時は信頼性が低下する傾向があります。DMIだけでなく、他の技術指標やファンダメンタル分析と組み合わせて総合的に判断することが重要です。
さらに、DMIの設定期間によって結果が変わるため、自分の投資スタイルに合った設定を見つけることが大切です。これらの点に留意して、DMIを活用しましょう。
まとめ
DMIは相場のトレンドを客観的に判断できる優れた指標です。+DIと-DIのクロスや、ADXの数値変化に注目することで、より精度の高い売買タイミングを見出せます。本記事を参考に、実際のチャート分析にDMIを取り入れてみてください。相場を読む力が向上し、投資の成果につながることでしょう。
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