ADXとは?意味や使い方、計算式を解説

相場のトレンドを見極めるのに苦労している人も多いのではないでしょうか。ADX(Average Directional Index)は、そんな悩みを解決する強力なテクニカル指標です。本記事では、ADXの意味から使い方、計算式まで詳しく説明します。
目次
ADXとは

ADXは、相場のトレンドの強さを測る指標として広く使われています。ADXを理解すると、より効果的な取引戦略を考えられるようになるでしょう。ここでは、ADXの基本的な概念と特徴を説明します。
意味
ADXは、Average Directional Indexの略です。ADXは、相場の動く方向とその強さを測るために開発されました。ADXの値が上がると、トレンドの強さが増していることを意味します。反対に、ADXの値が下がると、トレンドが弱くなっていることを表します。
DMIとの違い
ADXはDMI(Directional Movement Index)と密接な関係がありますが、役割が異なるのです。DMIは+DIと-DIの2本の線で構成され、相場の方向を示します。一方、ADXは1本の線で、トレンドの強さだけを表します。ADXとDMIの違いを理解すると、より正確な分析ができるようになるでしょう。
ADXの計算式

ADXの計算方法は複雑で、多くのトレーダーが頭を悩ませるポイントです。ここでは、ADXの計算式とその手順を具体的に説明します。
- まず、+DI(プラスディレクショナル指数)と-DI(マイナスディレクショナル指数)を計算します。 +DI = (+DM / TR) × 100 -DI = (-DM / TR) × 100 ここで、 +DM(プラスディレクショナルムーブメント)= 今日の高値 – 昨日の高値(ただし、負の場合は0) -DM(マイナスディレクショナルムーブメント)= 昨日の安値 – 今日の安値(ただし、負の場合は0) TR(トゥルーレンジ)= max(高値 – 安値, |高値 – 前日終値|, |安値 – 前日終値|)
- 次に、ディレクショナルインデックス(DX)を計算します。 DX = (|+DI – (-DI)|) / (+DI + (-DI)) × 100
- 最後に、ADXを計算します。これは通常、14日間のDXの単純移動平均です。 ADX = 14日間のDXの平均
この計算プロセスは複雑ですが、多くのトレーディングソフトウェアやチャートツールが自動的に計算してくれます。トレーダーとしては、計算の詳細よりも、ADXの値の解釈と使い方を理解することが重要です。
ADXの見方

ADXの値は、トレンドの強さを0から100の範囲で示します。一般的に、ADXが20以下の値は弱いトレンドや横ばい相場を表します。
一方、ADXが40以上の値は強いトレンドがあるという意味です。ただし、ADXの数値は絶対的なものではなく、市場の状況や個人の取引スタイルに応じて調整が必要な場合もあります。
DMIとの組み合わせ
ADXをDMIと組み合わせると、より詳しい市場分析が可能です。+DIが-DIを上回っている状況でADXが上昇していれば、強い上昇トレンドを表します。逆に、-DIが+DIを上回りADXが上昇していれば、強い下降トレンドが形成されていると考えられます。
ADXとDMIを組み合わせて使うことで、より確実な取引のタイミングを見つけやすくなるでしょう。
ADXの使い方

ADXを効果的に使うには、複数の視点から分析することが大切です。ADX単独の指標だけでなく、他の指標や価格の動きと組み合わせることで、より信頼性の高い判断ができるようになります。以下では、ADXの具体的な使い方をいくつか紹介します。
+DIと−DIラインで判断する
+DIと-DIが交差するポイントは、重要なサインです。+DIが-DIを上から下へ交差すると、売りのサインと見なされます。逆に、+DIが-DIを下から上へ交差すると買いのサインとなります。
ただし、+DIと-DIの交差サインは必ずしも絶対的なものではありません。市場の状況や他の指標との整合性を確認することが大切です。
ADXラインで判断する
ADXラインの動きは、トレンドの強さを判断する上で重要です。ADXが上がっていけば、トレンドが強まっていることを表します。一方、ADXが下がっていけば、トレンドが弱くなっているか、または横ばい相場に移っている可能性がある点に注意が必要です。ADXが20を超えてから25を下回るまでをトレンド相場と見る方法もあります。
3本のラインを併用する
ADX、+DI、-DIの3本のラインを同時に見ることで、より詳しい市場分析ができます。
例えば、ADXが上昇し、+DIが-DIを上回っている状況は、強い上昇トレンドです。逆に、ADXが上昇し、-DIが+DIを上回っている状況は下降トレンドを意味します。ADX、+DI、-DIの関係を理解すると、より的確な取引判断ができるようになるでしょう。
ダイバージェンスに注意する
ADXと価格のダイバージェンスは、重要なサインになるでしょう。
例えば、価格が新しい高値を更新しているのに、ADXが前回の高値を更新できない場合、トレンドが弱くなっている可能性があります。ADXと価格の乖離に気づくことで、トレンドが変わる点を事前に察知できる可能性が高まります。
まとめ
ADXは相場のトレンドの強さを測る有効なツールです。ADXを他の指標と組み合わせて使い、ADXの値、+DIと-DIの関係、ダイバージェンスなど、複数の要素を総合的に判断することが大切です。ADXを適切に活用すると、より信頼性の高い取引判断ができるようになります。ADXを使いこなし、効果的な取引戦略を作り上げましょう。
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