FXの出来高とは?売買をする際の使い方も含めて解説

出来高とは、ある一定期間内に売買が成立した株数などをいいますが、FXの場合は少し違いがあるようです。本記事ではFXの場合の出来高の意味や、使い方について解説しています。
目次
FXの出来高とは期間中の取引量

FXにおいて出来高の意味は、ある期間内に通貨ペアの売買が成立した場合の注文数をいいます。ただ、FXの場合、出来高を正確につかむのは難しいと言われています。FXを取り扱う会社と個々のトレーダーが直接売買をしていることが多く、世界中で膨大な取引量となるためです。
出来高の代わりにティック回数を参考値として用いることもあります。ティック回数とは、価格が変動した回数のことです。
出来高を活用できる場面

FXの出来高を把握するのは難しいようですが、売買取引に活用できる場面はあるのでしょうか。どのような際に使えるのか見ていきましょう。
通貨ペアを選ぶ
FXでは二国間の通貨を選んで、差益を考えて売買取引をします。2つの通貨を選ぶ際に、出来高が多い通貨ペアを選ぶと多くの人が取引をしていることとなり、大きな利益が見込めるでしょう。反対に出来高が少ない通貨ペアを選ぶと相場の動きが小さく、あまり収益が期待できない場合があります。
たとえば、日常生活になじみのある『日本円(JPY)』の通貨ペアを選ぶ場合、『米ドル(USD)』との出来高が多いです。二国間の経済状況が相場に影響が大きくなります。金利政策や指標などの発表があった場合、とくに取引の量が増えるのが一般的です。
出来高の増減で相場の状況を掴む
相場を確認するには、取引量が多い平日の21時~4時頃の時間帯の出来高をみてみましょう。例示した時間帯は、ロンドン市場とニューヨーク市場の開場の時間帯が重なり、取引が活発です(冬時間の場合は1時間遅れ)。取引が多い時間帯のほうが、通貨ペアの出来高の多さや少なさを見極めやすいですね。
出来高が増えた時に売買取引
出来高が増えた時に取引をすると、理想に近い値で売買ができるかもしれません。自分の設定した通貨ペアの出来高が多い場合、希望に沿ったレートで売買できる可能性が高くなるからです。出来高が増えた場合には、FXの取引が多く、流動性が高いということ。トレンドが変わると予想されて、相場の動きが活発になります。
出来高が減った時に利益を確保
出来高が減った場合に取引をすると、予想よりもかけ離れた相場で売買されるリスクがあり、注文が成立しにくくなります。売買は控えたほうがよいでしょう。出来高が下がってくると、相場の方向性が落ち着いてくることになります。早いタイミングで利益を確保したほうが良さそうです。
上昇する時期に買い注文できたのはよかったけれども、下降するタイミングが判断しづらい場合がありますね。出来高が減少し始めた頃合いを見つつ、利確することをおすすめします。
出来高のデータのみを過信しない
FXの場合は、出来高のデータだけを見ても売買の取引はできません。多くの場合、取引をするには、過去のチャートや相場に影響を与えるできごとなどから、相場の動きを予想して売買をするためです。単に取引をした量を示す出来高のデータから、次の相場の予想は難しいからです。
たしかに、出来高は市場の流動性の高さを判断できる材料にはなります。実際に相場を分析する場合は、さまざまな手法を使って、総合的に分析する必要がありますね。そのうえで、売買取引をするタイミング、利確や損切りをするタイミングを図る必要があるでしょう。
以下のような手段を使って出来高と併用します。
- テクニカル指標を使った市場の分析
- 経済指標の利用
- 各国の要人の発言から今後の経済の予想をする
出来高はFXの売買に役立つデータの1つ
FXの出来高は、ある一定期間の取引量を表しています。世界中のすべての出来高を把握するのが難しいため、価格が変動した回数を代用することも。通貨ペアを選んだり、売買をするタイミングや利確をするタイミングを見計らったりするためのデータの1つです。ただ、出来高のデータのみに頼らず、他のテクニカル指標などの利用をして後々の相場の動きを見極める必要があります。
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