ゴールデンクロスとは?特徴やだましを避ける方法も解説

ゴールデンクロスは強力な買いシグナルとして知られています。有名なサインなので名前を知っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、チャートにゴールデンクロスが現れたからと言って、むやみに飛びつくのは危険です。ゴールデンクロスの特徴を知って、正しく判断しないと予想通りの値動きにならず、損失を出してしまうかもしれません。
そこで本記事では、ゴールデンクロスの特徴やだましを避ける方法について解説していきます。ゴールデンクロスの正しい見方がわかりますよ。
目次
ゴールデンクロスとは?

ゴールデンクロスとは、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に抜けた状態のことをいいます。価格が上昇に転じる兆しとして多くの投資家が注目するサインです。
なお、短期・中期・長期3本の移動平均線が用いられるテクニカル指標では、短期と中期の組み合わせをミニゴールデンクロスと呼ぶこともあります。
一般的にゴールデンクロスは移動平均線の売買サインとして注目されますが、他にもMACDやストキャスティクス、DMIといったテクニカル指標でチャート分析する時にも用いられます。
ゴールデンクロスの特徴

ゴールデンクロスには、以下に示す特徴があります。
- サイン発生がやや遅れ気味
- だましが多い
それぞれの特徴について解説していきます。
サイン発生がやや遅れ気味
ゴールデンクロスに限らず、基本的にはテクニカル分析の売買サインは少し遅れて発生します。これは「過去」の一定期間に得られたデータを参照しているために起こる現象です。
例えば、移動平均線は「過去」の一定期間の終値の平均を結んだものです。
当日の価格をそのまま反映させるのではなく、数日分の価格の平均を使うので、実際の値動きに対して遅れて反応が出ます。
そのため、短期の移動平均線と長期の移動平均線を使うゴールデンクロスも実際の値動きからやや遅れて発生します。
だましが多い
ゴールデンクロスの特徴として「だまし」が多いという特徴があります。
「だまし」とは、テクニカル分析で出現した売買サインと逆の値動きになることです。
例えば、ゴールデンクロスが出て価格の上昇が続くかと思いきや直後に反転、下落に転じるといったケースがあげられます。
そのため、ゴールデンクロスが発生したからといって安易に飛びついてしまうと、思わぬ損失につながる可能性があり危険です。
「だまし」は、移動平均線の設定期間が短かったり、相場が荒れていたりする時にはよく見られるので注意しましょう。
だましを避ける方法

「だまし」を確実に回避することは難しいです。
ただし、以下の方法を取ることで「だまし」を避けられる確率が高まります。
- ゴールデンクロスのパターンを見極める
- 他の指標と組み合わせて判断する
それぞれの方法について解説していきます。
ゴールデンクロスのパターンを見極める
ゴールデンクロスにはいくつかのパターンがあります。
どのパターンが発生したかによって、信頼できそうなサインかどうかを判断できます。
移動平均線の傾き
ゴールデンクロスを形成する移動平均線の傾きによって、いくつかのパターンに分かれます。
もっとも信頼度が高いパターンは、短期、長期の移動平均線ともに上向きの場合です。
長期の移動平均線が横ばいの状態でもある程度信頼度は高めですが、これが下向きになると信頼度は低下していきます。
短期と長期の移動平均線がともに下向きの場合にもっとも信頼度が低いと言われています。
移動平均線の角度
移動平均線が交差している部分の角度を見るのも信頼度を計るのに有効です。
ゴールデンクロスが発生した際、線が交差している部分の角度が大きい(2本の線の傾きの差が大きい)場合は信頼度が高く、「だまし」になる確率が低いと言われています。
逆に、角度が小さい場合は、価格の上昇力が弱く信頼度が低いと言われています。
他の指標と組み合わせて判断する
他の指標と組み合わせることでゴールデンクロスの弱点を補い、より正確に相場を予測できます。
例えばゴールデンクロスは、レンジ相場で「だまし」が多くなります。
レンジ相場では、値動きの方向がすぐに反転するので、せっかくゴールデンクロスが発生しても価格の上昇が続かず、下落に向かうケースがよく見られるためです。
そこでRSIやボリンジャーバンドなど、レンジ相場でも使える指標を使って「だまし」を避けるようにします。
このように、ゴールデンクロスの信頼度を補強できる材料を持っておくことで予測の精度をあげられます。
ゴールデンクロスを正しく判断しよう
ゴールデンクロスは、価格が上昇に向かう時に現れるサインです。
強力な買いシグナルとして知られていますが「だまし」も多く、注意して判断する必要があります。
ゴールデンクロスのパターンをよく観察したり、他のテクニカル指標と組み合わせて判断するなどして、予測の精度を高めていきましょう。
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