ボラティリティーとは?意味やメリット、活用ポイントなどを解説

株式投資やFX取引において、相場の値動きを表す重要な指標の1つがボラティリティーです。価格変動の度合いを示すこの指標は、投資判断の重要な材料として注目を集めています。
この記事では、ボラティリティーの基礎から実践的な活用方法まで詳しく説明します。
目次
ボラティリティーとは

ボラティリティーは株式市場やFX市場で価格変動の大きさを表す大切な指標です。本章ではボラティリティーの基本的な考え方について説明します。
意味
ボラティリティーは価格の変動率を表す指標です。
一般的に5%以上を高ボラティリティー、それ以下を低ボラティリティーと呼びます。計算方法は、当日の価格変動幅を平均価格で割って100を掛けた値です。投資家はこの数値を見て、相場の状況や取引のタイミングを判断しています。
ボラティリティーの種類

ボラティリティーは過去と将来の2つの視点から分析する方法があります。本章では各ボラティリティーの特徴と使い方について説明します。
ヒストリカルボラティリティー
過去の価格変動から計算されるヒストリカルボラティリティーは、歴史的変動率とも呼ばれています。
一定期間の価格データをもとに計算し、チャート分析でよく使う指標です。株式投資ではこのヒストリカルボラティリティーを活用して、相場の状況を見極めるのが一般的でしょう。
インプライドボラティリティー
市場で取引されているオプション価格から計算されるインプライドボラティリティーは、将来の価格変動の予測に役立ちます。
主にFX取引やオプション取引で重宝されており、予想変動率とも呼ばれています。市場参加者の将来に対する考えが数値に表れるため、相場の先行きを読む上で貴重な材料といえるでしょう。
ボラティリティーを取引に用いるメリット

相場の動きを見る上で、ボラティリティーは大切な指標の1つです。本章では取引でボラティリティーを使うメリットを説明します。
取引のタイミングが分かりやすい
ボラティリティーの状況から、相場の値動きの傾向が見えてきます。
ボラティリティーが高いときは大きな値幅を狙った取引が有効で、低いときは相場の変わり目を探るヒントとなるでしょう。取引を始めるタイミングや終えるタイミングを判断する際の大切な目安です。
取引リスクが分かりやすい
価格変動の大きさを表すボラティリティーは、その銘柄や通貨ペアの値動きの激しさを測る目安です。
ボラティリティーが高い場合は大きな利益を見込める一方、損失も大きくなる傾向にあります。この指標を参考に、自分のリスク許容度に合った取引を選びましょう。
ボラティリティーを使うデメリット

株価の値動きの方向性は、ボラティリティーだけでは読み取れません。上がるのか下がるのかの予測には他の指標も必要となります。
また、高ボラティリティー時は想定以上の値動きが起こり、思わぬ損失につながる場合もあるでしょう。相場が大きく変動する局面では、特に注意が必要です。
こうした状況下では、より慎重な取引が求められます。
ボラティリティーを活用するポイント

相場分析にボラティリティーを活用する際は、いくつかの大切なポイントがあります。本章ではボラティリティーを上手に使うためのポイントを説明します。
銘柄によるボラティリティーの違いを理解する
株式市場では、銘柄ごとにボラティリティーの特徴が違います。
大型株は比較的安定した値動きを見せ、新興市場の成長株は激しい値動きをする傾向にあります。特に時価総額の小さい銘柄は、ニュースの影響を受けやすく値動きが大きくなりがちです。また、業界や業態によってもボラティリティーの特徴は大きく異なります。
短期だけでなく中長期の取引にも活かす
ボラティリティーは短期の売買だけでなく、中長期の投資にも役立つ指標です。
投資期間に応じた時間軸のボラティリティーを見ることで、より的確な投資判断につながるでしょう。たとえば長期投資なら年単位のボラティリティーを、短期なら日単位のボラティリティーを参考にすると良い結果が期待できます。また季節性のある商品は、その時期特有のボラティリティーの特徴を把握しておくことも重要です。
流動性に注目する
ボラティリティーが高い銘柄は、時に売買が難しい場合があります。
思い通りに売買ができない状況を避けるため、出来高や売買代金などの売買のしやすさも合わせて確認しましょう。特に出来高の少ない銘柄では、急な相場変動時に売買が困難になることがあります。また、市場の取引時間帯によっても流動性は大きく変化するので、この点にも気を配る必要があります。
まとめ
ボラティリティーは相場の値動きを把握する上で大切な指標です。この指標を上手に使えば、投資判断の精度を高めることにつながります。
ただし、ボラティリティーだけに頼らず、他の指標も組み合わせながら総合的に判断することが大切です。各投資家の取引スタイルに合った形でボラティリティーを取り入れていくのがよいでしょう。
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