スリッページとは?意味や起こる原因、取るべき対策などを解説

FX取引で注文を出したのに、思っていた価格で約定せずに損をしてしまった経験はありませんか?これは「スリッページ」という現象が原因かもしれません。この記事では、このスリッページについて、意味や発生する原因、効果的な対策方法までわかりやすく解説します。
目次
スリッページとは

FX取引において避けて通れない「スリッページ」。この用語を聞いたことはあっても、具体的にどういう意味なのかわからない人も多いのではないでしょうか。ここでは、スリッページの基本的な意味について解説します。
意味
スリッページとは、FX取引で注文時に表示されていた価格と、実際に取引が成立した(約定した)価格との間にずれが生じることを指します。例えば、1ドル=150.00円で買い注文を出したのに、実際には150.05円で約定してしまうようなケースです。
スリッページ許容値とは

スリッページによる損失を防ぐための重要な設定が「スリッページ許容値」です。この設定をうまく活用することで、想定外の損失を防ぐことが可能です。ここでは、スリッページ許容値の基本と設定方法について解説します。
設定方法
スリッページ許容値とは、注文時の価格からどれくらいのずれまで許容するかを設定できる機能です。例えば許容値を0.03円に設定すると、それ以上価格がずれた場合は注文が不成立となります。多くのFX会社では、通貨ペアごとに設定できます。
スリッページが起こる原因とは

なぜスリッページは発生するのでしょうか。実は、いくつかの要因が複雑に絡み合って発生する現象です。ここでは、スリッページが起こる主な原因について、わかりやすく解説していきます。
注文から約定まで時間がかかるから
FX取引では、トレーダーが注文を出してからFX会社のサーバーで処理されるまでにわずかな時間差が生じます。この間に為替レートが変動すると、スリッページが発生することになります。
市場参加者が少なくなるから
日本時間の早朝や年末年始など、市場参加者が少ない時間帯では、売り注文と買い注文の数に差が出やすくなります。その結果、希望する価格での取引が難しくなり、スリッページが起こりやすくなります。
重要な経済指標発表などがあるから
米国の雇用統計発表など、重要な経済指標の発表前後は相場が大きく動きやすく、スリッページが発生しやすくなります。
スリッページに対して取るべき対策とは

スリッページは完全に防ぐことは難しいものの、適切な対策を取ることで影響を最小限に抑えられます。ここでは、実践的なスリッページ対策について、具体的な方法を解説します。
スリッページが起きやすい時の取引は避ける
経済指標発表の前後や、市場参加者が少ない時間帯での取引は控えめにすることをおすすめします。
許容スリッページ幅を設定しておく
取引時には適切な許容スリッページ幅を設定しておきましょう。一般的な目安は3〜5銭程度です。ただし、取引スタイルによって最適な設定値は変わってきます。
スリッページが起きにくい会社で取引する
取引処理の速いFX会社を選ぶことも重要です。特に、カバー先となる金融機関を多く持つFX会社は、スリッページが発生しにくい傾向にあります。
注文を何回かに分ける
大きな取引を一度に行うのではなく、複数回に分けて注文することで、スリッページの影響を抑えることが可能です。
まとめ
スリッページは、FX取引において避けられない現象の一つですが、適切な対策を取ることで影響を最小限に抑えられます。
重要なのは以下の3点です。まず、経済指標発表時など、スリッページが起こりやすい時間帯での取引は避けましょう。次に、取引前には必ず許容スリッページ幅を設定してください。そして、大きな取引は一度に行わず、複数回に分けて注文することをおすすめします。
FX取引で利益を出すためには、スリッページによる損失をいかに抑えるかが重要なポイントとなります。この記事で学んだ知識を活かして、より安定した取引を心がけていきましょう。
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