chfとは?意味や特徴、円との関係や今後の見通しなどを解説

スイスフラン(CHF)は、世界的な経済不安や有事の際に「安全通貨」として注目される通貨の一つです。円との関係も深く、投資対象としても人気があります。
この記事では、CHFの基本的な意味や特徴、円との関係性、そして今後の見通しについて、初心者にもわかりやすく解説していきます。
目次
CHFとは

CHFはスイスの通貨であるスイスフランの通貨コードです。
スイスだけでなく、リヒテンシュタインなどの近隣国でも使用されている通貨で、スイスフラン紙幣は6種類、硬貨は7種類が流通しています。紙幣には15種類もの偽造防止技術が採用されており、世界でもとくに安全性の高い通貨の一つとして知られています。
意味
スイスフランの単位は「SFr」または「CHF」と表記され、補助通貨として「サンチーム(ct)」があります。1スイスフランは100サンチームに相当。また、ドイツ語圏では補助通貨を「ラッペン(Rp)」と呼びます。
CHFの特徴とは

スイスフランには、他の通貨にはない独特の特徴があります。永世中立国としての立場や、安定した金融システムなど、投資対象として重要なポイントがいくつもあります。
ここでは、CHFの主要な特徴について見ていきましょう。
財政状況が安全で取引しやすい
スイスは永世中立国として知られ、地政学的リスクが低いことが特徴です。また、経常黒字国であり、対GDP比での政府債務残高も低く、財政状況が非常に健全です。
このため、世界的な経済不安や有事の際には「安全通貨」として選ばれやすい傾向にあります。米ドルや日本円と並び、リスク回避時に投資家から選好される通貨の一つです。
スイス国立銀行の動向に影響を受けやすい
スイスフランの価値は、スイス国立銀行(SNB)の金融政策に大きく影響を受けます。SNBの金融政策決定会合は年4回と世界で最も少なく、1回の会合の重要性が高くなります。
また、SNBは為替介入を積極的に行うことでも知られており、その政策転換によって相場が大きく動くことがあるでしょう。
CHFが暴騰したスイスフランショックとは

2015年1月、SNBが突如として対ユーロでの為替レートの上限を撤廃したことで、スイスフランが急騰する「スイスフランショック」が発生しました。この時、スイスフラン/円は115円付近から140円台へと30%以上も急騰し、市場に大きな混乱をもたらしました。
このできごとは、SNBの政策変更が市場に与える影響の大きさを示す象徴的なできごとといえるでしょう。
CHFと日本円の関係とは

スイスフランと日本円は、ともに安全通貨として知られ、両国の金融政策によって相場が大きく変動することがあります。
ここでは、両通貨の関係性や過去から現在までの相場動向について解説します。
相場状況
近年のスイスフラン/円相場は、2022年のSNBの利上げ開始や日本の超低金利政策の継続により、上昇基調です。2024年前半には180円という史上最高値を更新しましたが、日銀のマイナス金利解除後は170円台での推移となっています。
両国の金融政策の違いが、相場変動の主な要因といえるでしょう。
CHFの今後の見通しとは

スイスフラン/円相場の今後は、SNBと日銀の金融政策の方向性が重要なポイントです。
スイスでは物価上昇率が落ち着きを見せており、利下げの可能性も出てきています。一方、日本では段階的な利上げが予想されており、両国の金利差は縮小傾向にあります。ただし、地政学的リスクの高まりがある場合は、安全通貨としてのスイスフランが選好される可能性があるでしょう。
CHFの取引で見るべき経済指標とは

スイスフランの取引では、スイスの経済指標や金融政策をチェックすることが重要です。
投資判断に役立つ主要な経済指標や、その読み方のポイントについて解説します。
スイス国立銀行の政策
SNBの政策金利は2024年4月時点で1.50%となっています。
年4回の金融政策決定会合での金利の決定や為替介入に関する発言は、スイスフランの相場に大きな影響を与えるため、とくに注目する必要があります。
消費者物価指数
スイスの消費者物価指数(CPI)は、SNBの金融政策判断の重要な指標です。
SNBのインフレ目標は0~2%で、この範囲内に収まるよう金融政策が運営されています。CPIの動向は今後の金融政策を予測する上で重要な指標となります。
まとめ
CHF(スイスフラン)は、永世中立国スイスの通貨として、安全性と信頼性の高さが特徴です。スイス国立銀行の政策動向や世界的な経済・政治情勢に影響を受けやすく、とくに2015年のスイスフランショックは市場に大きな影響を与えました。
今後の見通しとしては、両国の金融政策や地政学的リスクの動向が重要なポイントとなります。投資家は、SNBの政策動向やスイスの経済指標に注目しながら、取引を検討することが重要です。
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